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奨励作品賞 檸檬屋賞

無罪の少年
…の鳴き声、…の泣き声
バルバラへ

クアクコフィバリリ

KouakouKoffiValery   男性
コートジボワール共和国   1980年生まれ
現在:  関西学院大学商学部3年

無罪の少年

横になっている
外で彼らは遊んでいる
彼らを見ている
彼らはなんて幸せそうか!
彼らは私の同級生だろう
しかし私よりだいぶ元気だ

今日もお医者さんが看にきた
彼の顔を見てわかった
私には明日がない
お母さんがいた
彼女は、もう涙がでない
目が干上がった

また外で彼らが遊んでいる
布で作られたボール
シュートしあいながら走り回っている
どれだけ一緒に遊びたいか!!
なぜ私だけですか?
私は何をしたのか?

感染された母たち
生まれた子たち
私のように
今、何百人もの子供が
死遊びをしている
あのゲームで

大人のゲーム
大人の満足
大人の楽しいゲーム
大人の肉欲
大人の危険なゲーム
子供の地獄

目を閉じる
外にいる彼らの幸せな顔が見える
彼らと一緒に遊んでいる
私も幸せだ
生きることは初めて
楽しくなった

目を開ける
彼らはまだ遊んでいる
私は一人で
病院の中で
横になっている
死と遊んでいる

隣に寝ていた少女は
白い布切れで巻かれている
運ばれていく
ずっと一緒にここにいた
好きだった
淋しい

全身が疲れてきた
もうなにも感じない
目が閉まりつつある
母の姿も消えつつある…
久しぶりに彼女は涙を流す…
“許してください”のような涙だ

目が閉まっ…

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…の鳴き声、…の泣き声

昔は美しかった、幸せだった
たくさんの木の葉で守られていた
太陽の光にあたらないほど
おいしげっていた

木の葉っぱは日々
コーラスのように
吹く風にあわせて
揺れながらきれいな賛美を唄っていた

豊かな草を一日食べ続け
元気いっぱいに遊びまわる
美しい動物たちがたくさんいた
空を飛び回る羽毛の美しい鳥たち

鳥たちの鳴き声
昆虫たちの賛美
動物の鳴き声
木の葉っぱの賛美

美しいメロディだった
夢と感動の世界
私の現実だった
幸せだった

動物たちは私に優しくて
大切にしてくれていた
私は動物たちを育て
愛していた

そしてある日

…なみだ…

見たことのない
生き物がやってきた
最初、歓迎した
しかし翌日!!!

彼らは木を切り出し
動物や鳥を次から次へ殺し
森に火を付けた
すべてを燃した

何百年も立っていた木が
涙を流しながら倒れていた
流れていたきれいな青い湖が
赤い血色になっていた

逃げる動物たちの泣き声
煙に驚いて飛び回る鳥たちの泣き声
地中の高い温度で叫ぶ爬虫類の泣き声
燃えて行く木の葉っぱの泣き声

悲劇的な騒然とした音だった
悲しかった
新しい生き物
世の終わり…

昔は美しかった、幸せだったのに…

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バルバラへ

あれからだいぶ時が流れたが
鳥たちは今も同じ方向で飛んでゆく
私たちが出会った電車が
今も同じ方向で走ってゆく

あれからだいぶときが流れたが
今も空は青い
太陽は東を出
西に沈む

あれからだいぶときが流れたが
何も変わっていない
変わったのは
あなたと私

あの夏覚えていますか?
青空が想像以上に美しかった
公園の緑と花のさわやかな香り
そして雨が降り出した

私たちは雨の中で
幼い子のように
遊んでいた
幼い子だった

あなたを追いかけ
あなたが心に幸せいっぱいで走り回り
濡れたドレスから
あなたの美しい身体が見えていた

バルバラよ!!
あれからだいぶ時が流れたが
今何をしている?
どこにいる?

時とともに
あなたのことを
忘れたと思っていた
忘れようとしていた

しかし…

今日も雨が降っている
私達のあの部屋から
窓ガラスにしたたり落ちる水滴を見ながら
あの日を思い出す

私たちは雨の中で
幼い子のように
遊んでいた
幼い子だった

美しいバルバラよ!

明日も雨が降りそうだ
あの場所で待っている
昔のように
雨の中で

ニース郊外
サンジェルマン公園
あなたと
手をつないで歩きたい

雨よ!
この思いを
あの子へ届けてくれ
バルバラへ


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